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これからの法改正の動き

「会社法制の見直しに関する中間試案」が示される

上場企業でガバナンス(企業統治)に関する不祥事が相次ぐなか、会社法制の見直し作業が進められています。
法務省民事局参事官室が「会社法制の見直しに関する中間試案」をまとめ、公表しました。
「企業統治の在り方」「親子会社に関する規律」が大きな柱となっており、その内容は主に、外部からのチェック機能の強化といえます。

企業統治の在り方
「取締役会の監督機能」については、次のような提案がなされています。

・社外取締役の選任義務づけ
取締役会の監督機能の充実の観点から、一定の条件を満たした企業に対して、社外取締役の選任を義務づけるなどの案が示されています。

・監査・監督委員会設置会社制度の導入
自ら業務執行をしない社外取締役を複数置くことで、業務執行と監督の分離を図りつつ、監督機能を強化するための制度として、監査・監督委員会を置くという機関設計が提案されています。

「社外取締役及び社外監査役に関する規律」については、社外取締役の要件として、親会社の取締役やその近親者ではないことを追加するなどの案が示されています。
「監査役の監査機能」については、会計監査人の選解任等に関する議案や報酬等についての決定権を監査役に付与するなどの案が示されています。
「資金調達の場面における企業統治の在り方」の見直しについては、支配株主の異動を伴う第三者割当てによる募集株式の発行等について、株主総会の決議を要するものにするかどうかについて検討することなどが提案されています。

親子会社に関する規律
「親会社株主の保護」については、親会社の株主が子会社の取締役等の責任を追及する多重代表訴訟制度の創設が提案されています。
また、親会社による子会社の株式等の譲渡の際に、株主総会の特別決議による契約の承認を受けなければならないものとされています。
「子会社少数株主の保護」については、親会社と子会社の利益が相反する取引について、親会社の責任を明文化する規定を設けることなどが提案されています。
法務省はこの中間試案に対するパブリックコメントを1月末まで受け付け、その結果を踏まえて会社法の改正作業を進める予定です。企業にとって負担となりそうな社外取締役の義務づけ、多重代表訴訟制度の導入などは「導入しない」案を含めた両論併記となっているものの、経団連などは早速、反発の姿勢を打ち出しています。

注目したい法改正の動向

◎ 有期労働契約は最長5年まで
厚生労働省労働政策審議会が有期労働契約の在り方についての建議を厚生労働大臣に対して行ないました。
有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申出により期間の定めのない労働契約に転換させるしくみを導入すること、雇止め法理の内容を制定法化して明確化を図ること、期間の定めを理由とする不合理な処遇を解消することがその主なポイントです。
◎ 新たな悪質商法への対応
消費者の財産被害に係る行政手法研究会が、議論の整理案をとりまとめました。換金困難な外貨を売りつけるなどの財産事案の悪徳商法に対して、罰則付きの行政処分ができるよう消費者安全法を改正する方針を明らかにしています。
◎ 循環型社会の環境整備
環境省は小型電気電子機器のリサイクル制度について検討を進めています。確実に適正なリサイクルを実施することを約束した事業者を認定し、廃棄物処理法の特例を与える形が考えられています。
◎ キャリア教育の推進
文部科学省がキャリア教育に関する報告書をまとめました。学校が社会と連携してキャリア教育を行なうことの重要性が説かれており、高校普通科のカリキュラムにキャリア教育を明確に位置づけるなどの方策が提言されています
◎ 金融取引の透明性を高める
金融庁は金融商品取引法を改正し、店頭デリバティブ取引について2〜3年後を目途に、電子化を義務づけることを発表しています。システム整備を進めて取引の透明性を高め、信用不安を抑えようというものです。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売

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